作り手:宮本 博

宮本 博

ミヤモト ヒロシ

京都府山科

  • 陶器

古いものを敬いながらも、「同じことを繰り返すだけでは面白くない」と語る宮本博さん。
清水焼の郷・山科で、伝統の技に新たな視点を重ねながら、日々ろくろに向き合っています。

乾山写しにも挑んだ確かな技と観察眼は、料理をそっと引き立てる上品な佇まいを生みます。
お刺身も煮物もすっと馴染む、“京都らしい気品”を宿したうつわです。

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― 伝統に息を吹き込み、清水焼の未来を紡ぐ ―

京都・山科の清水焼団地に窯を構える陶芸家・宮本博さん。
確かな技術と常に挑戦を続ける作家心で、京焼の伝統を守りながらも新しい息を吹き込むように、日々の作陶を続けています。

60代後半の今も、大壺や大鉢を軽やかに引ける熟達した技術、
そして「本物」を追求する探究心を原動力に、
自身の作品制作だけでなく、過去名作の復刻や、他者との共同プロジェクトにも積極的に取り組み続けています。

 

Reborn 乾山「写し」シリーズ


2004年には、MIHO MUSEUM(滋賀県)で開催された特別展の企画「乾山への挑戦」に参加し、江戸期の名陶・尾形乾山の作品の「写し」に挑戦。
長年、本物を見続けてきた学芸員から「質量まで本歌に近づくほど」と評されたその観察眼と再現力は、
職人としての鍛錬と、作家としての探究を両立してきた宮本さんだからこそ到達できた境地といえます。

 

書道家や和歌研究者との共同制作にも意欲的


京焼・清水焼の魅力は、伝統的な高級品趣向や卓越した技術、
さらに、陶工が個の力で独自に腕を磨き上げてきた歴史にあるともいわれます。

宮本さんもまた、清水焼の陶工として、高い技術力と表現力をもって個性的な作品を生み出してきました。
近年では「個」としての制作にとどまらず、書道家や和歌研究者とのコラボレーションにも挑戦。
言葉と線、陶と詩――異なる表現が交差することで、器の中に「余白の美」が静かに立ち上がります。


伝統的な日本料理を彩るうつわを、次のステージへ

懐石料理をはじめ、伝統的な日本料理を静かに、しかし確かな存在感で引き立てる宮本さんのうつわ。
その背景には、伝統を重んじながらも清水焼の未来を見据え、弟子の育成にも力を注ぐ姿勢があります。

「面白いことをやりたい」と語る宮本さんの笑顔の奥には、
伝統を敬いながらも未来へ進もうとする、京都の職人の気概が宿っています。

作り手の経歴

MIYAMOTO HIROSHI

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1958年|京焼の窯元に生まれる

1978年|京都市立日吉ヶ丘高校陶芸科卒業

1979年|京都市工業試験場卒

1980年|京展入選・京都府工芸美術展入選

1982年|日展入選・日本新工芸展入選

1983年|中日国際陶芸展入選・日本新工芸近畿展読売新聞社賞・京都府工芸美術展奨励賞

1984年|全関西美術展第一席・京展京都新聞社賞・日本新工芸展新工芸賞

1986年|全関西美術展審査賞

1988年|朝日陶芸展新人賞

1991年|個展(阪神百貨店)

1993年|日本新工芸展会員佳作賞(外務省買上)・ファエンツアビエンナーレ入選

|二人展「日、伊 色の響艶」(ギャリー伯美)

1995年|個展(三越大阪店)

1997年|個展(ギャラリー久里)

1998年|日本新工芸近畿展市長賞

1999年|日本新工芸展審査員・全関西美術展審査員

2003年|個展(高島屋大阪)

2005年|日本新工芸近畿展商工会議所会頭賞

作品一覧