作り手:てしま島苑

てしま島苑

テシマトウエン

香川県手島

  • 陶器

瀬戸内海に浮かぶ、人口17人の島・手島。
土も釉薬も、この島で採れる素材だけ。
てしま島苑の器には、島の自然と暮らしの景色が、静かに息づいています。

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はじめて出会ったのは、益子の陶器市でした。
うっすらと描かれた、たんぽぽの絵皿。 静かな佇まいなのに、なぜか目が離せない。
迷っているうちに、その皿は別の方のもとへ。
珍しく、即決しなかったことを後悔しました。

てしま島苑さんの作品を改めて見ると、不思議な感覚があります。
落ち着いた色味で、一見すると無機質にも映る。けれどよく見ると、自然の気配が確かにそこにある。
釉薬の話を伺ったあとに眺めると、表情の奥に"元の素材の気配"が感じられます。


てしま島苑のお二人が暮らし作陶する、香川県丸亀市の離島・手島。
瀬戸内海に浮かぶ、人口17人の小さな島です。



土も釉薬も、手島で採れる素材のみ。
空豆、唐辛子、ひまわり、背高泡立草——島の植物を主原料とした灰釉が、器の表情をつくります。
たとえば空豆の釉薬には、素材の記憶がそのまま残っているように見えます。
「はじまりの見えるものづくり」という言葉が、器を前にすると自然と腑に落ちます。

 

素材への強いこだわりと聞くと、重厚で土味の強い器を想像するかもしれません。
けれど実際は、驚くほど薄く、軽い。形もどこかすっきりとしていて、日常にそのまま馴染みます。
島の素材と向き合いながら、確かな成形技術で使いやすさを追求している。その両立が、手に取ると伝わってきます。



益子でお会いした松下さん、リモートでお話しした松原さん。 
お二人とも、飾らず本音で向き合ってくださる方でした。

作品だけでなく、素材のこと、そして手島という島そのものを感じ取ってほしいという思いを大切にされています。

2026年3月、私自身も手島を訪れる予定です。 島の空気や風景を実際に感じた上で、あらためてその器をご紹介できたらと思っています。

作り手の経歴

TESHIMA-TOEN

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松下 龍平 (Ryohei Matsushita)
埼玉県出身

2009年|武蔵野美術大学 陶磁専攻 卒業
2019年|京都府立陶工高等技術専門校 卒業
|香川県 瀬戸内海の離島『手島』に移住、作陶
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松原 恵美 (Emi Matsubara)
京都府出身

2009年|京都市立銅駝美術工芸高等学校 卒業
2013年|愛知県立芸術大学 陶磁専攻 卒業
2019年|京都府立陶工高等技術専門校 卒業
|香川県 瀬戸内海の離島『手島』に移住、作陶

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